使えばポイントが貯まるカード

クレジットカードの発行、信販の実施も「ビジネス」です。ビジネスということであれば多くの人に利用してもらい、なるべく多くの「金利」分の収入を得ることが必要です。ただ立て替えてその金額分をそのままそっくり返済してもらうのでは、いつまでたってもそのクレジット会社の「利益」にならないからです。クレジットカード会社からしてみれば、なるべく大きな金額の買い物をしてもらって、それを長期で返済して欲しいのです。長期になればなるほど、利息は大きなものになります。ですが、まさか契約しているユーザーに「大きな金額の買い物をしてはどうですか」などと呼びかけるわけにもいきません。いつ、なにを買うのかはその利用者個人の自由であるからです。それを強制することなどは言語道断ですし、仄めかすようなコンタクトなども到底できません。

人は、どのような境遇であれ必ず「消費」します。消費とは「なにかを食べること」であったり、「なにかを使うこと」だったりします。そして、その消費行動には必ず「対価」が必要です。自分で畑を持っていて、完全に自給自足しているのだとしても、その土地を耕すための肥料や、その作物の苗、さらには農耕用の道具などはどこかから「買った」ものであるはずです。何をするにしても、まずは「買う」必要があります。働くための道具類もそうです。働くために着るスーツでさえも、「買う」必要があるのです。人が現代社会で生きていくための基本行動、それは「購入」と「消費」、そして購入するための対価を得るための「労働」、あるいは「生産」です。

金銭的なサイクルは、小さなところでは近所のコンビニから、大きな規模では企業間の投資や買収などに見ることができます。「お金」は常に流動しているのです。そのために私たちは働きます。働いて、給与という「対価」を得るのです。そしてそれを「使う」のです。
クレジットカード会社は、自社の発行するカードがそのサイクルの中に自然に組み込まれることができれば一番いいのです。人が何かを購入するときに、自社のクレジットカードで支払ってくれるのが一番いいのです。そのようなことを実現するめに、多くのクレジット会社が実践している施策が、クレジットカード利用によってたまる「ポイント」です。

人は複数の選択肢がある場合、特に好みも何も反映できない場合、それが「お得かどうか」という観点で選ぶことがあります。それは金銭的にお得であることはもちろん、何か付帯価値はないかどうかということです。そのような価値があるものは、多くの人に選ばれます。クレジットカードの「ポイント」は、利用額によってその数パーセントをユーザーに還元するものです。どうせ使うのであれば、少しでも「リターン」がある方がいい。それはユーザーにとっては当たり前の意識です。

そのような意識を突いて、少しでも多くのユーザーに選ばれることで、継続的な利用を獲得することがクレジットカード会社の唯一の「販促」になります。なかには利用額によって還元されるポイント数に幅があるサービスなどもあります。そうすると「通常の買い物」もカードの方が特になる」ということになるかもしれません。

カードを検討する際は、ポイントのシステムなどを比較するとよいでしょう。